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「This」とツアーパンフレット [音楽]

CIMG0002.jpg
想定内の事ではあったけど、先月初めの佐野元春 & ザ・ホーボーキング・バンドの
ライブに行ってからというもの、暫く過去の元春作品を日替わりで聴き漁る日々が続いた。

最近ようやく冷静になって、ふと気が付けば、当日のコンサート会場ロビーにてツアーパンフレットを
購入していたのを思い出した。
B4判の大きなパンフレットを袋も無しに直に渡されて、開演前に少々困った思いをしたものだ。

「This」のタイトルが付いたこのツアーパンフレット。
折り目が付かないように気を使いながら家に持ち帰って、取りあえずパラパラっとめくって見ると
期待していたものとは少し違ったのでちょっと冷めて、しばらくそのまま放置していた。
ツアーも先月末に無事終了したようで、その興奮もとうに冷めたこのごろ、落ち着いてじっくり見ることにした。

全52頁。バンドのメンバーの紹介と元春に対するアンケートと短いメッセージ以外は写真のみ。
だからパンフレットと言うよりは写真集。しかし質感は良いので、このままハードカバーに製本すれば
写真集として通用する立派なものだ。
まぁ実際、僕は本格的な写真集など今まで買ったことが無いので確かなことは言えないのだが。

今回のツアーパンフレットがどんなものか、オフィシャル・ウェブサイトのツアーパンフレット紹介のページで少しだけ見られる。興味のある方はどうぞ↓
http://www.moto.co.jp/store/goods/ssbb_panf/#

3000円とかなり高価だ。おそらくファン以外は買わないのではないか?
いや別にファン以外に売れなくても全然かまわないのかもしれない。

その写真集の内容をおおざっぱに言うと、今回のツアーが始動する前年の冬、軽井沢のとある宿に一泊した元春の一日を逐次記録したものだ。
ツアー前ということもあり、元春の表情はすこし硬く、ややナーバスで和んでいる様子も無い。
冬枯れた森林の景色や清潔で広々とした宿の一室、テラスの先に広がる水面(最初、池かと思ったが川ということが分かり、何となく安心した。)
それらのモノクロームの写真から伝わってくるのは、少しばかり寒々しいどこかはりつめたような感じだ。
おそらくこれから始まろうとしている全国ツアーに向けて、コンセントレーションを高めているのか。

とはいえ、夜半寝間着姿で宿の机に座って愛機?のパワーブックで音楽を聴く写真があるのだが、
その写真にはカラーが使われていて、実際そうだと思うが視覚的にもリラックスしているように見て取れる。

この星のやという宿もなかなか素敵だ。
間違いないと思うが、「水波の部屋」という客室に元春は泊まったようである。
開放的な広々とした空間、上質な備品やアメニティー。この一室だけみても泊まってみたいと思わせる宿だ。

冒頭の方に「期待していたものとは少し違った~」と、書いたが、それはこのパンフのタイトル「This」に起因する。
このロゴ・デザインは明らかに現在休刊中の元春主催の個人雑誌「This」それだったからだ。
新しい個人主義者のための雑誌というコンセプトで創刊されたこの雑誌は、幾度かの復刊は果したものの、現在は休刊中である。
CIMG0003.jpg
ちなみに上に表示してある「This」は、1996年の夏に刊行された「SUMMER 1996 Vol.2/NO.3」。

オルタナティブの形骸化。それに付随したメディアとしての「This」の役割を一旦リセットする理由で休刊になってはや10年以上。
「今後「THIS」は形態をさまざまに変えてお目見えすることになると思う。これは終わりの宣言ではないと受け取ってもらっていい。」
自身のウェブ・サイトでは、そう最後に結んでいたが、これもひとつのメタモルフォーゼということなのだろうか?

当時僕はこの「This」を深く理解できぬまま、得意げに購読していた。
(当時、自費出版というこの雑誌が普通に書店で売られているのに驚いた記憶がある。)
今読み返してみると、理解力に乏しい僕には何だかよくわからない(笑)ところがあるにはあるのだが。

改めて、形態を変えたこの「This」。
写真を一枚一枚じっくり眺めていると、その雰囲気の中に引き込まれそうになる。
情景的にはオフタイムなのだろうけど、しかしオフはしていないし当然オンでも無い。
例えるならばニュートラル、これからまた走り出そうとする元春の静かな意気込みがこのパンフレットを通して感じ取れる。

まあしかし、パンフレット(写真集)なるもの、こんなに堅苦しく考える必要も無いと思えるが、写っている元春の表情を
眺めていると、だんだん神妙になってくるんだなあ;そこが面白い点でもある。
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コメント 9

mina

3000円、確かにパンフとしては高価ですね。
でも、でも、けっこう素敵そう。
うらやましいです!!
お宿も訪ねてみたい~~~。
っとミーハーなminaでした♪
by mina (2008-04-10 00:30) 

雨水

minaさん、コメントありがとう。
そうだね、三千円というと一緒に並べてあったCDが買える値段なわけで、少し躊躇したね。微妙な値段だね、これ以上したら買わなかったかな?

こういったポートレート的なパンフは文章が少ない代わりに、イマジネーションを広げてくれるのものだということを改めて認識したね。

宿、良いよね。うちからだと軽井沢は比較的アクセスが良いので、是非訪れてみたいと思ってます。

by 雨水 (2008-04-10 17:49) 

mina

軽井沢も近いのですか?
適度に都会で自然もあってうらやましい。
わたしもどこか遠くへ行きたいです。
by mina (2008-04-15 14:32) 

雨水

minaさん、再びコメントありがとう。
近いってことは無いんだけど、バイクや車で何回か行ってるので、そんなに遠い感じがしないというのかな。
僕もまた九州に行きたいです。
何年か前に行った薩摩硫黄島にまた行きたくって。。
by 雨水 (2008-04-16 02:00) 

雨水

xml_xslさん、niceありがとうございます。
by 雨水 (2008-04-16 02:01) 

ダッタン人

こんな時間にコメントする私は凄い。

いや~、なんとなく照れてしまって、コメント消去するというのはワタシくらいでしょうな。因みに現在夜勤ということですので、夜は大丈夫!ですね?なんのこっちゃ?

で、肝心のコメントですけど。

佐野元春には興味がなかったワタシもこの文章を読むと、また違った角度からその人物像を描き出しているので、だんだん関心が湧いて来る気がしますよ。

それにしてもしっかりとした文書を書きますな、読み応えがありますよ。
by ダッタン人 (2008-04-16 03:01) 

雨水

ダッタン人さん、nice+コメントありがとうございます。
こちらこそ、コメントが遅れてスイマセン。再度コメントいただき感謝。
また、遅れても必ずコメントしますのでご安心を(笑)

ほめて頂いてますが自分ではちっとも満足のいく文章は書けませんよ;
、もっとリラックスしてかるーく書き込めば良いのですが、僕の場合は書いてるうちに余計な考えが浮かんできて、尾ひれが付くというのが最近の傾向。
何故そうなったのかというと、ブログの管理ページ上で直に記事を書き込んでいたら何回も消失するという事態が起きて(皆さんもあることと思います。)
脱力したので、予めエディターで下書きをしてから更新するというやり方をしているからだと思います。
こうすれば消えないですからね。
(最近特にソネット・ブログは不安定ですしね、注意してます。)
だけど下書き、って時点で気軽じゃあないですよね。
何回も文章直したりしちゃいますしね(爆)書きかけの下書きも結構あったりして・・;

テンポ良く更新されるダッタン人さんはすごいと思うし、見習わなければと思っていますよ。
by 雨水 (2008-04-16 10:46) 

DEBDYLAN

こんばんは。
ご無沙汰してます^^;

『THIS』懐かしいです。
僕は『カフェ・ボヘミア』の時代に季刊誌のように出ていた『THIS』を今でも大切に持っています。

ビートニク、ヴォリス・ヴィアン、レニー・ブルース。
正しく反抗すること(笑)

いろんなコトを教えてもらいました。

ちょっと記事とは外れますが、あの時代の『SWITCH』(雑誌)もそうでした。

カッコつけて理想論ばかり酒にまかせて語っていた時代(苦笑)にこんな本に出逢えた僕は幸せだと感じています。


by DEBDYLAN (2008-05-25 21:30) 

雨水

DEBDYLANさん、nice+コメントありがとうございます。

>僕は『カフェ・ボヘミア』の時代に季刊誌のように出ていた『THIS』を今でも大>切に持っています。
すごい、その頃のTHISを持っているんですか。

THIS第一期の頃は、まだネットすらなく、完全な休刊となる97年はまだまだネット黎明期でした。
情報を得る媒体はまだテレビや本が主流。現在のようになるとは予想できか?
いや、すでに当時からインターネットは空気のような意識しないで利用する社会になるとTHISは暗示しています。そういう意味では革新的な雑誌でした。

そう、SWITCH。買ったことは無いですが、今でも図書館で熟読?しています(笑)


by 雨水 (2008-05-27 12:43) 

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