So-net無料ブログ作成
検索選択

ウイスキーキャット [本]

夜の仕事がメインなので、休肝日を除き、昼間っから
ほとんど毎日のように酒ばかり飲んでいる。特にスコッチのソーダ割が大好きだ。
スコッチばかり飲んでいると、やっぱり本場に行って飲みたくもなる。
でもスコットランドは激しく遠いので、定年を迎えて行くしかないのかなぁ。
若いうちに行ってみたい;(若くはないけどね)
その前に肝硬変か何かで死んでいたりして。などと悲しいことを思ってみたりする。

憧れの地に思いを馳せるのに手っ取り早いのは、本を眺めることである。
読むのではなく、眺める。写真が多く載っている本のことだ。
うってつけの本がある。暇をみてはよく眺めるようにしている。
C.W. ニコルさん著の「ザ・ウイスキーキャット」という本だ。

スコットランドにはウイスキーの蒸留所が沢山あるのだが、そこで働いている猫たちの物語だ。
猫の仕事といえば、ご存知の通りねずみを取ったりすることだ。
ペットの猫たちはやらないだろうが、昔の猫たちはねずみや小鳥をよく捕まえたものだ。
蒸留所で働く猫たちの毎日の日課も、ウイスキーの主原料となる穀物を荒らすねずみなどの
害獣を駆除することだ。
猫たちは理解しているのかどうか知らないけど、歴史と伝統のある仕事らしく、ギネスブックに
載った猫までいる。

ヌースと呼ばれる蒸留所の猫の目を通して、蒸留所で働く男たちのこと、若い猫を指導する
姿が生き生きと書かれている。
俺はスコッチは大好きだけど、猫は好きでもないし嫌いでもない。だけど。
ただかわいがられているだけの猫とは違う姿に、少し感動する。
何よりもスコットランドの美しい風景と蒸留所、かわいい猫たちの写真がこれでもかと
豊富に載っている。
写真を見ているとウイスキーが匂ってきそうだが、猫好きの方にもおすすめの本です。
BGM:Paul McCartney「Mull of Kintyre」
http://www.stjamesforsalebyowner.com/14_-_Mull_Of_Kintyre.mp3

※Amazonで紹介されている「ザ・ウイスキーキャット」は、二冊あるが
注意すべき点として、2002年ものはリメーク版なので、写真掲載数が少ない。
84年の初回に出た本の方をおすすめする(上の表紙のやつね)


ザ・ウイスキーキャット

ザ・ウイスキーキャット

  • 作者: C・W・ニコル, 森山 徹, 松田 銑
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1984/11
  • メディア: 単行本


ニックアダムス・ストーリー [本]

ヘミングウェイの短編約12作に登場するニック・アダムスは、バックカントリーキャンプ
の達人だ。作品の中で、野営、釣り料理の仕方、コーヒーの入れ方まで独自のアイディア
が生かされたキャンプ術は、キャンプ用品が発達した現代においても大いに参考になる。

悲惨な戦争体験の悪夢に悩むニックが自然と親しむことによって、自分自身を治癒していく。
そんな作品のひとつに、「大きな二つの心臓の川」というのがある。
日の暮れた森の中、川のほとりの野営地で、ひとり静かに缶詰を使った料理をするのだが
非常に魅力的な文章だ。何回読んでも味わい深い。
以下に引用するのでぜひ読んでいただきたい。
_________________________________________
腹が空いていた。これまでで最高の空腹だ、とニックは思った。
彼は背嚢から、ポーク入りの豆の缶詰とスパゲッティの缶詰を出して
缶を切り、中身をフライパンに空けた。
「文句も言わずに運んできたものだ。食べる権利がある」とニックは声に出して言った。
しだいに闇を深めていく森の中で、その声は異様に響いた。
ニックはそれ以上声に出しては言わなかった。
ニックは、松の切り株から斧で薪を何本か切り出してきて、それで火を焚いた。
火の上に鉄架を据え、長靴で踏み、四本の脚を地中にめり込ませ
炎の立つ鉄架の上にフライパンを載せた。
空腹がひどくなってきた。豆とスパゲティが暖まってきた。
ニックは豆とスパゲティをスプーンで掻き混ぜた。プツプツと気泡の弾ける音が立ちはじめた。
小さな気泡がじわじわと、底の方から表面に昇ってきていた。いい匂いが立ち篭めた。
ニックは背嚢からトマト・ケチャップの壜とパンを取り出し、パンを四切れ切り取った。
小さな気泡が勢いよく昇ってくるようになると、ニックは火のそばに坐り
フライパンを火から下ろして中身の半分を錫びきの皿に注ぐように移した。
それはゆっくり、皿の上を広がっていった。
まだ熱すぎる。ニックには分かっていた。少しケチャップをかけた。
豆もスパゲティもまだ熱すぎる。ニックは火を見、次にテントを眺めた。
舌を火傷してすべてをふいにしてしまうわけにはいかない。
ニックはもう何年もバナナの揚げ料理を味わい損ねている。冷めるまで待ちきれないからだった。
ニックの舌は極めて敏感な造りの舌なのだ。それにしてもこの空腹はもの凄い。
ニックは川の方を見た。川向の湿地はほぼ闇で覆われていて
そこから靄が立ち昇ってきているのが見えた。ニックは再びテントの方に目を遣った。
もう大丈夫。ニックは錫の皿からスプーンで山盛りすくって口に入れた。
「凄い!」ニックは言った。「こいつは凄い!」ニックは息を弾ませ幸福そうに言った。
ニックは一皿すっかり平らげてしまってから、やっとパンがあったのを思い出した。
彼は残り一皿をパンといっしょに、最後はパンできれいに拭き取って、皿の底が光るまで、食べた。
セント・イグネイスの駅の食堂でハム・サンドイッチとコーヒー一杯を摂って以来の食事だった。
これほどの空腹を、これほど旨い食べ物で満たすというのは素晴らしいことだった。
今までにもひどい空腹を経験したことはあった。
だが、それをこんな具合に満たしたことは初めてだった。
途中でキャンプを張ろうと思えば何時間も前に出来た。
川沿いにはキャンプに適した場所は何箇所もあった。だがこれでよかったのだ。
_________________________________________
いかがだろうか?キャンプで缶詰を使う理由は第一に時間の節約だ。
それと、現代はレトルトパックがあるが当時は缶詰しかなかったのだ。
これを読むとポークと豆の缶詰が食べたくなってしまうだろう。
スパゲティの缶詰はともかくとして。
ニックアダムス・ストーリーの中には、このように料理に関する記述が多く
キャンプをやらない人でも、イメージの世界で楽しめるハズだ。

われらの時代・男だけの世界

われらの時代・男だけの世界

  • 作者: アーネスト ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 文庫


澁澤龍彦 「女のエピソード」 [本]

夜勤をやっていると休日の睡眠時間のとり方がどうにも不規則になってしまう。
仕方の無いことだと思っているが、できれば普通の勤務に早く戻れればなぁ、と思っている。
昼間の睡眠は眠りが浅くなるので、夢をよく覚えていたりする。
たいていは後味の悪い嫌な夢。でも最近はそれほどでもなくなった。しかし、なんとなくだが脳裏に焼きついて離れない映像(絵)があったりする。今回はその少女の絵について少し書いてみる。

故・澁澤龍彦氏の著書に「女のエピソード」という有史上のさまざまな女性たち
マリー・アントワネット、アグリッピーナ、ローラ・モンテス、和泉式部、ジャンヌ・ダルク、シャルロット・コルデー、サロメ、細川ガラシア夫人、ワンダ・リューメリン、マリリン・モンロー、建礼門院平徳子、ド・ブランヴィリエ侯爵夫人などのエピソードをデッサン調につづった女性論がある。
澁澤龍彦氏は言うまでもないが、サドの翻訳や幻想的な小説やエッセイ、三島由紀夫氏との交流で知られている作家だ。
その「女のエピソード」の表紙を飾る少女の画像がある。

白装束を身にまといこちらに見返りをうつ少女。暗闇に光が差して輝くその少女の表情はとっても
あどけなく、瞳は悲しみを帯びているように見えるけど、わずかに微笑んでいるようにもみえる。
苦しむのをあきらめて運命に全てを任せることを決意した姿のようだ。
この少女は、16歳の若さで斬首刑に処せられたベアトリーチェ・チェンチの遺影ともいえる肖像だ。

ローマ市街のバルベリーニ宮殿、2階の国立古典絵画館に収められている
グイド・レーニ作『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』17世紀初頭の作品だ。

理由はどうあれ父親を殺害した罪は、当時のイタリアの法律では極刑だった。
公開処刑の日、刑場に集まったローマ市民は彼女に深く同情し猛反対したが願いも虚しく
刑は執行されてしまった。
刑場に連行される際に彼女は、「ああ、神さま、どうしてわたしはこんなに不幸に死なねばならないのでしょうか」と叫んだが、礼拝堂で祈りをささげるとその後、死ぬまで一度も取り乱さなかったと言う。
↓のサイトにベアトリーチェ・チェンチのお話があります。
女のエピソード/ベアトリーチェ・チェンチ/01


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。